働くことがイヤな人のための本

 

働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫)

働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫)

 

恐らく多くの人々が、自分の仕事というものに満足していないと思います。

概要

多くの悩みを抱えた4人と哲学者でもある著者との架空対話を通じて、「仕事」引いては「生きること」の意味を考える。

 

まわりの普通であろうとするゲームを刺すように批判的に見ているそういう自分のほうがまともだと居直ったとたんに、その苦痛は何と言えばいいかその輝きを失う。

 

自分はネガティブな方なんですが、ネガティブな考え方があまり好きではありませんでした。この一文を読んで、ポジティブの浅ましさを批判的にみるネガティブが正当化をしてしまうと、同じように浅ましくなってしまうのかなと思いました。

梅原猛『日本文化論』

 

日本文化論 (講談社学術文庫)

日本文化論 (講談社学術文庫)

  • 作者:梅原 猛
  • 発売日: 1976/06/07
  • メディア: 文庫
 

 

梅原猛の本を読んだのは、これが初めてです。名前ぐらいしか知りませんでした。

82ページとかなり薄いので、すぐに読み終わってしまいました。

概要

この本は昭和43年の講演が元になった本で、かつては西洋文明と科学技術が世界を支配したが、それは物質的な力によるもので、精神的なものではない。今後、多くの文明が蘇り、ヨーロッパへ反撃を開始するだろう。その中で、主体性を失った日本文化は今後どうあるべきかということを語っている。

ヨーロッパへの反撃

ロシアや中国が社会主義を取り入れたのは、西欧社会に対する挑戦的な面があったとする。

 西洋社会は自分たちが歴史の最前線にあるという考え方があたりまえでしたが、ヤスパースラッセルの時代になるとソクラテスやイエスと釈迦、孔子を優劣なく扱うような考えが生まれ、西洋と東洋の文明が同列になった。

日本文化の主体性

 日本は西洋文明を採用することで列強の植民地化を免れたが、そこで生まれた国粋主義が日本の伝統精神をゆがめてしまいました。

仏教は日本の文化や古典に多大なる影響与えたが、それを追放して、神道に回帰するとなると、日本人はそれをきちんと理解することができなくなる。

 今後、日本は新たな文明を創造しなければならない。

おわりに

薄い本なので、内容はかなり抽象的だった。